余熱熟成という焙煎方法

エスプレッソなどに代表される近年のシアトル系深煎りコーヒー豆は、
残念ながらドリップでは苦味ばかり強調され、昔のコーヒーを知る者にとっては苦痛をも感じます。
当店では昔ながらの浅く煎ったまろやかなコーヒー豆をご提供しております。
それは私たち日本人の味覚にとって「美味しい」と感じるからです。
おもてなしの心で焙煎するコーヒー
アメリカンコーヒーが流行ったり、炭火珈琲が脚光を浴びる中、この釜を使って何十年とまろやかなコーヒー豆を煎り続けております。
それは当店のコーヒーを長年ご愛顧頂いているお客様へのおもてなしの心があるからです。
昔の釜ゆえ大きな音や熱気、煙にまみれながらの作業ですが、お客様のご満足する姿を想うとまったく苦ではありません。
この先もこの釜か私が壊れない限りは、ずっと同ようにお客様へご提供していくつもりです。
古き良き時代のコーヒー焙煎
近年の効率化主義の中で、良いものを作るには手間も時間も惜しまない昔の製法が見直されています。
実はコーヒーの焙煎も同じで、効率だけを求めては、やはりそれなりの物しか出来ません。
最近の焙煎機は数分から15分程度で焙煎を終えてしまいますが、当店の釜はどんなに急いでも20分以上かかります。
しかし、急ぐ必要はありません。
焙煎中のコーヒー豆に甘味が生まれるまで、ある程度の時間が必要だからです。
余熱熟成焙煎という古くて新しい方法
さらに釜の余熱を使いじっくり時間をかけて仕上げると甘味とコクが増します。
強いて名を付けるとすれば「余熱熟成焙煎」となるでしょうか?
こうして生まれるコーヒーは、浅煎りでも酸味が少なく甘味とコクに優れ、深煎りではコゲによる苦味を抑えすっきりした風味になります。
同様の焙煎方法は、「スカンジナビア・スタイル焙煎」と呼ばれ、新しい焙煎スタイルとして最近注目を集めているようですが、当店では何十年とごく普通に行っていた方法です。
もちろん、単純に焙煎方法を真似るだけでは余熱熟成焙煎は出来ません。
昔ながらの非効率な釜と、焙煎職人の感(勘ではありません)と経験によるものと自負しております。
店主・焙煎人 関口泰弘












