ハセツネ2016完走記

ハセツネ10回目出場してきます」「ハセツネ無事完走しました」に続き、三連続ハセツネ話題で申し訳ございません。

薄れゆく記憶の中で記しておきたいと思いましたので、よろしかったら長文お付き合いください。

以前はゴール後の筋肉痛と供に早くも来年への準備へと闘志に沸いていたのですが、なぜか今年は疲弊感なのか充実感なのか来年への闘志がまったく沸きません。

もっとも筋肉痛と関節痛が消えたら気が変わるかわかりませんが・・・

ハセツネ出場は10回目ですが、大会そのものは24回(24年)もの歴史があります。

大会の運営や知名度は年々上がっていますが、舞台であるコースそのものは自然の中の道ゆえ、まったくと言って良いほど変わっていませんが、天候によりコースの状況や選手自身のコンディションは毎回変化します。

今年はスタート数時間前までの降雨のため道はぬかるみ、山の中は湿気たっぷりと道行く選手たちを苦しめました。

しかし、苦行であればあるほど充実感を味わえるのもハセツネの魅力です。

5年ほど前に右膝の半月板を損傷、2年前には左膝と故障続きで臨んだ今回、決して無理をせず完走(歩)を最大目標にしていました。

妻からは「無理しちゃ絶対ダメ」「ダメだったら途中でやめて」「お願いだから・・・」と懇願されましたが、ハセツネは無理しないと完走(歩)できないし、途中リタイヤも自力下山ともっと大変な過酷な競技なのです。

そのため欲を出さず最後尾スタート、のはずでしたが、最後尾は最後尾の常連さん?が多く、談笑していて皆さんなかなかスタートしません。

その常連さん達、以前最下位で有名になった方や、ひたすらゴミ拾いしながら進む方、最高齢と思しき方など濃いキャラクターの面々がハセツネの歴史を感じます。

結局、最後尾から20人ほど前でスタートラインを通過しましたが、直後に名物の渋滞。

いつもは狭くぬかるんだ道が渋滞の原因でしたが、今年はスズメバチ出没でそのう回路での渋滞、わずか数百メートル進むのに結局1時間くらいのらりくらりとヒザにはやさしい行進です。

ハセツネの第一の難関は第一関門までの約22km、細かなアップダウンと悪路が延々と続き、ここでの体力温存が後半を左右すると言っても過言ではありません。

ところが、最後尾グループは渋滞通過後もあせる事なく皆さん終始マイペースで進みます。

その体に優しい行進が今回無事完走につながったのかもしれません。

そしてハセツネ最大の特徴が夜間走行、午後1時スタートなので数時間後には山の中は真っ暗、ライト頼りに悪路を進みます。

今年は湿気が多くガス(霧)が発生しライトの光が乱反射を起こし路面が良く見えませんし、メガネも曇って役に立たず裸眼での夜間走行にペースも落ちます。(これも完走の要因の一つかも)

第一関門の浅間峠に付くとそこは多くの選手でごった返し、座って休むスペースもありません。

ここでストックを準備し、補給食を口にしながら防寒着を着込みます。

第二関門(約42km)までは比較的平坦な道が続くのですが、コース最標高の三頭山(1531m)までの登りがあります。

この辺に来るとコース脇に横たわっている人が目立ちます。

一瞬、エッ死んでいるの?大丈夫?と思いますが、皆さん休んでいる(寝ている)のです。

いくつかの峠を越えて三頭山の尾根へ、いつもは気温が下がる時間帯と標高なのに、今年は身体にまとわりつく湿気と長い登りで防寒着が邪魔になるほどの暑さに。

計算より水分摂取量が多くなり、第二関門(ここやっと給水があります)まで持つかどうか心配しましたが、三頭山からの下りからは水分摂取も減り、残り200ccほどで1.5リットルの給水を得る事が出来ました。

ここから地図上では下り基調なのですが、ここからが第二の難関、三つのピークと細かなアップダウン、蓄積した疲労と眠気でますます厳しさを増します。

コース脇に横たわる人も目立ちます。そう深夜2時か3時ころなんです。

残り二つ目のピーク岩だらけの大岳山(1266.5m)の登りでうっかり足を滑らしてしまい足のスネに打撲を負ってしまいました。

下りならともかく、登りで怪我をするのはそれだけ疲労している証拠、まあ眠気覚ましにはなりましたが・・・

大岳山からは(気持ちの中で)先(ゴール)が見えるので肉体的には厳しいですが、精神的に楽になります。

さらに夜も明け、視界が開け安堵感は増しますが、今まで暗くて見えなかった谷底が見えるようになると供に、今度は滑落への恐怖感が生まれてきます。

このようにハセツネの71.5kmは常に変わるコース状況と体調、心理面とフルマラソンには無い面白さがあります。

最後のピーク日の出山(902m)では、とっくに日の出も過ぎて「朝日山」に、ここからゴールまで約10kmは温存した体力で平地はゆっくりと走る事が出来ました。

最後第三の難関はコース中で最も嫌いなラスト1kmくらいから続くアスファルトの急な下り坂。

ここに来て最後の最後に左ヒザに痛みが出てしまい、ストックが杖にと変化し一歩一歩我慢しながら下って行きました。

その痛々しさに追い抜く人たちから「ラスト頑張れ!」と、うれしい声援をもらいながらようやくゴール。

不思議なものでゴール前10mくらいはヒザの痛みをまったく感じませんでした。

記録19時間45分04秒、1326位

さらに不思議な事に、この完走記をまとめているうちに来年も出場への野望が・・・

これがハセツネの魅力(魔力)かもしれません。

20161011-3